会計事務所アストライブ > 記事一覧 > 研究開発税制の改正内容|適用範囲の拡充や期間の延長について
「研究開発税制」は、研究開発に取り組む企業に対し、試験研究費を割増で控除することを認めて法人税の負担を軽減するための制度です。
2023年度の税制改正にて同制度の適用範囲を拡充する見直し・適用期間を延長する見直しなどが行われていますので、以下に要点をまとめます。
より研究開発への投資を盛んにするため、試験研究費の増減割合に対応して控除上限が変動する仕組みを取り入れています。それに伴い控除率の見直しも行われ、より積極的に投資を行った企業ほど優遇されるよう改正されています。
そしてこれら「控除上限」および「控除率」のインセンティブ強化は時限措置とされているところ、当初2022年度末までと定められていたのですが、期限が2025年度末まで延長されています。
同制度はスタートアップとのオープンイノベーションを活性化する目的で、共同研究に取り組んだ企業に対しても優遇措置を設けています。
このときの「スタートアップ」の要件として、“経済産業大臣の認定を受けたファンドによる出資”などが掲げられていたのですが、いくつか要件が撤廃・改訂されています。
“設立から15年未満であること”、“売上高研究開発費割合が10%以上であること”などの要件に見直され、適用を受けられる範囲が拡大したといえます。
研究開発の質を高める目的で、高度研究人材(博士号取得者であって、研究者としてのキャリアを持つ人材等のこと。)の人件費に関して税制上の優遇が受けられるようになっています。
人件費が試験研究費の一定割合以上になるとき、人件費の20%が税額控除できるという内容です。この仕組みが新たに設けられました。
ビッグデータを使った新たな「サービス開発」に取り組む場合、かかった費用を同制度の適用対象となる試験研究費に含めることができます。
要件として、かつて“自動的に収集された大量のデータの取得”が掲げられていたのですが、“サービス開発を実施する以前から収集・生成・他者からの取得、をしていた大量のデータの活用”といった内容へと見直されています。
要は、「既存データ」の活用であっても同制度の適用を受けられるようになったということです。
なおその一方では、“性能向上を目的としない開発業務”であって、“考案されたデザインに基づく設計・試作”は適用対象外になると見直されました。以前はその際の費用も適用を受けられていたのですが、支援する研究開発の質をより高める目的で、対象からは外されました。