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個人事業主と法人で大きく違う4つの点

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「個人事業主」は、自然人が事業主体となるときの事業者を指しています。自営業やフリーランスなどの呼び方もありますが、いずれも個人事業主に該当します。

一方の「法人」は、権利能力が与えられた団体のことで、法律上は自然人に並ぶ一つの人格を持ちます。株式会社や合同会社を経営する場合、事業主体は法人となり、経営者個人ではなくなります。

この個人事業主と法人には次のような違いがあります。

立ち上げの方法が違う

個人事業主の場合、特別な手続を行うことなく立ち上げができます。税務上の手続として、税務署への開業届の提出は必要ですが、事業主体はすでに存在している個人ですのですぐにでも事業を始めることは可能です。

しかし、法人はまず法人格を得るための手続が必要です。定款を作成し、設立登記の申請を行わないといけません。設立費用が数十万円はかかってきますし、そのうえで税務上の手続なども進めていくこととなります。

課税される税金が違う

個人事業主には「所得税」が課税されますが、法人には「法人税」が課税されます。

いずれも所得に対する課税ですが、税率には大きな差があります。

 

所得税の税率

法人税の税率

・超過累進課税(所得が一定額を超えると、その超過部分に高い税率が適用される課税方式)

・5%~45%で変動する

・比例課税方式(所得の大きさ関わらず一定の税率が適用される課税方式)

・原則23.20%

 

このような特徴の差から、「利益が小さいうちは個人事業主の税負担の方が小さい」「利益が大きいと法人の税負担の方が小さい」ということがいえます。

運営方法が違う

個人事業主の場合でも従業員を雇うことはできますが、事業者としての意思決定はすべて事業主である方1人で行うことができます。機動力に優れる反面、規模の大きな組織を運営するには向いていません。

法人でも1人会社などであれば実質個人事業主と大差ありませんが、株主総会であったり取締役会であったり、複数人での意思決定を前提としたルールが法定されています。そのため、個人事業主よりも、規模が大きな組織の運営に向いているといえるでしょう。

信用の得やすさが違う

法人の方が厳格なルールのもと設立・運営をしていることから、対外的な信用も得やすいです。

例えば会社には資本金がありますので、取引を行う相手方は最終的にその資本金からの債権回収を図ることができます。また、会社は必ず登記を行いますので、会社の基本的な情報や代表者のことなどが公にされています。

このような点から、個人事業主に比べて信用度が高いということができます。

ただ、個人事業主の場合は株式会社や合同会社と違い、債権者に対して直接無限責任を負います。閉業したとしても債権者は個人に満額の請求ができます。そのためもし個人としての知名度があり、資産もあるのなら、個人事業主でも信用面で心配する必要はありません。