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法人税の計算方法を4つの手順に分けて紹介

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法人税は企業の利益に対してかかる税金です。税額を正確に把握するには複雑な処理が必要となり、単純に「利益×税率」の計算で求められるものではありません。
ここに基本的な計算の流れや注意点をまとめましたので、法人税の計算方法について全体のイメージを掴みたいという方はぜひ参考にしてください。

法人税計算の基本的な流れ

法人税の計算は、大きく分けて以下の手順で行われます。

  1. 企業会計上の利益(税引前当期純利益)を算出
    • 「税引前当期純利益」とは、法人税などの税金を支払う前の企業の利益のこと。
  2. 税務上の加算・減算による課税所得の計算
    • 「税務上の加算・減算」とは、「企業会計上の利益」から特定の項目を加えたり引いたりすることを指す。税法で認められている経費や損失は控除(減算)される一方で、税法上認められる収益は加算されます。企業会計上の利益とのずれをこの処理により調整する。
  3. 課税所得に税率を乗じて税額を算出
  4. 税額控除の適用

手順①企業会計上の利益の算出方法

企業会計上の利益(税引前当期純利益)は、次のように算出することができます。

  1. 売上高-売上原価 = 売上総利益(粗利)
  2. 売上総利益-販売費・一般管理費 = 営業利益(営業活動から得られた利益)
  3. 営業利益±営業外損益 = 経常利益(企業が通常行っている業務から得た利益)
  4. 経常利益±特別損益 = 税引前当期純利益

この税引前当期純利益が法人税計算の出発点となります。

手順②税務上の課税所得の計算方法

企業会計上の利益に対して、税務上の調整(加算・減算)を行い、課税所得を計算します。

  • 主な加算項目
    • 交際費等の損金不算入額
    • 役員給与の損金不算入額(過大な役員給与など)
    • 税務上認められない引当金繰入額
    • 減価償却の償却超過額
  • 主な減算項目
    • 受取配当金の益金不算入額
    • 交際費等の損金算入額(飲食費の50%)
    • 欠損金の繰越控除額

これらの調整を行った後の金額が、法人税の課税対象となる所得金額となります。

手順③税率の適用

算出された課税所得に対して、法人の規模や所得の大きさに応じた税率を適用します。基本的には下表のように税率を判定することができます。

 

大法人(資本金1億円超)の場合

中小法人(資本金1億円以下)の場合

所得金額全額に23.2%を適用

年間所得800万円以下の部分:15%を適用

年間所得800万円超の部分:23.2%を適用

※法人の種類などに応じて異なる税率が適用されるケースもあるため注意。

手順④税額控除の適用

算出された法人税額から、各種の税額控除を差し引いていきます。主な税額控除として以下のようなものを挙げられます。

 

研究開発税制による税額控除

企業が研究開発に投資した場合に適用できる控除であり、試験研究費の一定割合を法人税額から差し引くことができる。

賃上げ促進税制による税額控除

従業員の賃上げを行った企業に対して適用される。

外国税額控除

海外で支払った法人税分を控除できる制度であり、二重課税を回避するために設けられている。

 

これらの税額控除にはそれぞれ適用要件や控除限度額が定められており、個別の要件を確認することが大事です。

なお、中小企業であれば各種税額控除に関して特例が設けられている場合もあるため税理士に相談するなどして自社が適用対象となるのか、いくら控除できるのか、事前に確認しておきましょう。