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インボイス制度の導入|個人事業主はどうなる?

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インボイス制度の導入により、適格請求書の保存をしなければ仕入税額控除が受けられなくなっています。同制度の直接的な影響は仕入を行う事業者が受けますが、消費税を免税されてきた事業者、個人事業主の多くにも大きな影響が及びます。

どのような影響を受けるのか、インボイス発行事業者になる場合・ならない場合に分けて簡単に紹介します。

インボイス発行事業者になる場合

これまでも消費税の納付をしてきたという個人事業主であればインボイス制度導入による変化はあまり大きくありません。しかし売上高が1,000万円以下で免税されてきた事業者は、インボイス発行事業者となることで、これまでなかった消費税の負担や税務上の手間が発生します。

消費税の負担がかかる

同制度に基づきインボイス発行事業者になった場合、売上高が1,000万円以下であっても原則通りに消費税が課税されます。

結局のところ「手取りが少なくなる」ということです。

ただし2割特例と呼ばれる経過措置により、一定期間内は売上にかかる消費税額の2割に負担を抑えることもできます。そのため急激に大きな消費税の負担がかかることは避けられます。

税務の負担がかかる

消費税の負担がかかるということは、税額を正確に計算する必要があり、申告書の作成や納付手続なども行わなければなりません。

単純に税額分の負担が発生するだけでなく、税務の負担が発生することも覚えておきましょう。なお、この点においては税理士を活用すれば作業を任せることができますし、手間を少なく済ませることも可能です。

インボイス発行事業者にならない場合

インボイス制度導入後も、インボイス発行事業者になることは強制されません。しかし、結果的に取引先から契約を切られてしまったり値引きを求められたりする可能性はあります。

契約の維持・獲得が難しくなる可能性がある

買手の立場としては、仕入税額控除ができなくなると税負担が大きくなるため、インボイスを発行してくれる事業者と取引をしたいと考えるのが自然です。そのため「インボイスを発行してくれないなら契約を切る」「インボイスが発行できない事業者なら契約をしない」といわれてしまう可能性も十分に考えられます。

値引きを求められる可能性がある

すでに契約を交わしている取引先からは、いきなり契約終了を求められるのではなく、仕入税額控除ができない分の値引きを求められる可能性もあります。

そして値引き交渉を求められたときは値引きの割合に着目しましょう。

「消費税の10%分を値引きしてください。」などと求められたときは要注意です。2026年9月30日までは経過措置として、免税事業者からの仕入でも80%の仕入税額控除が受けられますので相手方が損をするのは実質2%です。

そのため経過措置を考慮すれば2%以上の割引をする必要はありませんし、また、免税事業者側としては折衷案で1%の割引を提案するのも一つの手といえるでしょう。