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決算で赤字になった場合の法人税はどうなる?納税は必要?

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基本的に税金は所得が大きいほど負担も大きくなります。そこで「赤字だと法人税はどうなるの?」「税金の負担はゼロになる?」と疑問を感じる方もいるのではないでしょうか。

実は赤字でもやっておきたい税制上の手続きがありますし、赤字でも生じる税負担はあります。そこで当記事では決算で赤字となった法人に向けて、最低限知っておきたいポイントをまとめます。

法人税は赤字なら発生しない

決算書ができあがると、そこには会社の1年間の収支が記載されます。その結果が赤字であった場合、法人税はどう扱われるのでしょうか。

法人税は、企業の「所得」に対して課される税金で、ここでいう「所得」とは売上から経費や給与、減価償却費など必要な支出を差し引いた後に残る利益を指します。つまり、所得がない、赤字となるときは、課税対象となる金額がないため基本的に法人税は発生しません。

たとえば、1,000万円の売上があっても、経費が1,200万円生じて赤字で終われば法人税はゼロとなります。

赤字だからこそ知っておきたい繰越控除

赤字が出た場合、その損失は「繰越欠損金」として将来に活用できることがあります。これは経営を続けるうえで大きな助けとなり得る重要な仕組みです。

そして繰越欠損金とは、「赤字が出た年の損失を、翌年以降の黒字を出した際に所得から差し引くことができる仕組み」を指します。

中小企業なら原則10年間にわたり赤字分を繰り越し、将来の利益と相殺することができるのです。

たとえば、今年500万円の赤字が出て翌年700万円の黒字を計上した場合、700万円から500万円を引いた200万円だけに法人税が課されるのです。

この仕組みを有効活用すれば、一度大きな損失を出してしまっても、経営を立て直した後の法人税負担を軽減して事業を安定させやすくなるでしょう。

ただし、繰越控除の適用には、決算処理と税務申告が欠かせません。赤字だとしても毎年の決算や税務申告は適正に行う必要があります。

法人住民税は赤字でも負担しなければならない

会社運営を続ける上で留意すべき税は法人税だけではありません。

ほかにもさまざまな課税を受け、固定資産税など所得に関係なく負担が生じるものもあります。

特に注意したいのは、法人税同様に所得の大きさに影響される「法人住民税」です。所得の大きさで納税額が変動しますので赤字なら負担は小さくなるのですが、完全なゼロにはなりません。

法人住民税を構成する要素の1つに「均等割」が存在するためです。均等割は会社の規模や資本金、従業員数などに応じて納付額が定まります。そのため、赤字になったとしても納税義務が残るため資金繰りには注意してください。